「日本最後の清流」四万十川が流れる、高知県の四万十市で昭和3年に創業したマルサ醤油合資会社。
地下60メートルから汲み上げた四万十川の伏流水を使い、仕込みから完成まですべて自社で行う一貫生産による醤油の製造を行っています。
仕込みは1年かけてじっくりと自然発酵させ、品質管理と成分分析を徹底して行い、高品質な醤油を提供しています。

マルサ醤油の作る醤油は、独自の甘味があるのが特徴です。
甘い醤油に最初は抵抗感がある方でも、いつの間にか「もうここの醤油じゃないと」と気に入って下さり、県外からお取り寄せのご注文をいただくことも多くあります。

四万十市を含む土佐西部の幡多（はた）地域では「甘い味つけ」という独特の食文化が広がっています。
古くは江戸時代から、特に客人をもてなす時には、砂糖を多く使用した料理がよく出されていたそうです。
砂糖が普及しだすと、みそ汁に入れたり、果てはご飯にかけて食べることもあったと言われています。

マルサ醤油は、幡多地域の豊かな自然と食文化を背景に、品質と味の良さを追求し続けています。

二人と塩二郎との出会いのきっかけは、大阪で開催された高知の魅力を伝える趣旨のイベントでした。
そこで『製塩職人募集』を掲げていたのが塩二郎です。
塩づくりの話をする際、塩二郎が塩を人間に見立てて「塩が風邪を引く」「塩が起きる」「塩が寝る」と表現するのを聞いて興味が湧きました。
完全天日塩の作り方や高知県田野町の事などを詳しく聞くと、塩二郎の人柄と塩づくりの両方にすっかり魅了され、塩二郎に出会った翌年にそれぞれが念願の弟子入りを果たします。
塩二郎の修行は、一から教えていくのではなく、自身の作業を弟子に見せて考えさせ、弟子自身に作業をさせるというもの。
最初はなかなか思い通りにいかず、修行1年目はあっという間に過ぎていきました。
自らが塩づくりに直面すると、出会った当時に塩二郎が語った「塩は生き物。だから塩づくりという表現は少し違っていて、僕は塩を毎日育てているんですよね」という言葉が良く理解できました。
初めて塩二郎の塩を口にした時は、あまりの円やかさに驚嘆。
塩と言えば「しょっぱい」や「塩辛い」のように尖った味わいのものと思っていたので、塩二郎の塩の優しい味わいに感銘を受けました。
二人が感じた感動を沢山の人たちに伝えたいという思いから、目標として掲げたのは「優しくて柔らかくて美味しい塩づくり」です。